① 同意しなくとも、基本的なクッキーは読み込まれます。これは、サイトを表示した時点(同意前)ですでに読み込まれており、あとから削除やブロックをすることが技術的に困難だからです。そのため、多くのクッキーコンセントバナーでは「拒否」ボタンが存在せず、「同意」ボタンしかない設計になっています。
② 「個人情報を販売しないでください」という CCPA 由来の定型文(当サイトでは販売などしていません)にチェックを入れて「同意」ボタンを押すと、Google Analytics 4(GA4)などのトラッキング系スクリプトは明示的にブロックされます。
③ チェックを入れずに「同意」ボタンを押すと、トラッキング系スクリプトもブロックされることなく読み込まれます。
④ すべてのトラッキングスクリプトを自動で検出することは、技術的に現実的ではありません。そのため当プラグインでは、管理者が手動でトラッキングの対象を明示的に指定する方式を採用しています。GoogleやMetaなど主要サービスのトラッキングはあらかじめリストされていますが、リストにないものも「件数の制限なく」自由に追加可能です。
⑤ 管理者がすべてのトラッキングを正確に把握しており、④で漏れなく設定されていれば、問題は起こりません。とはいえ実際には、管理者が気づかぬうちにトラッキングが行われている可能性も否定できません。たとえばテーマやプラグイン、あるいは iframe 経由で埋め込まれた外部サービスが発信源であれば、手動での調査を行わない限り、それらを検知するのは現実的には困難です。
⑥ 結局のところ、クッキーコンセントという仕組みには根本的な曖昧さが残っており、それ自体が構造的な限界を抱えています。そのため、最終的には訪問者がサイト管理者を信頼できるかどうかにかかっています。管理者の「誠意」は④で、そして「技術力」は⑤で問われるのです。
⑦ 当局も、クッキーや個人情報を完全に制御することが現実には不可能であることを理解しています。たとえば、顧客の求めに応じて個人情報をシステムから削除したとしても、それをどう証明するのでしょうか。そもそも、削除方法をきちんと知っているでしょうか。あるいは、紙で出力された情報が別途保存されていたらどうするのでしょうか。こうした問題には、際限がありません。だからこそ重要なのは、個人情報をいかに誠実に管理し、取り扱うかという姿勢です。「高額な罰金が科せられる」といった恐怖をあおられて、表面的にクッキーコンセントを設置しているサイトが多く、本気でGDPRやCCPAに取り組んでいるサイトはごくわずかです。完全には拒否できないことや管理者の手が届かないクッキーが存在することを告げずに(場合によっては管理者自身も認識しないまま)表示される「同意」ボタンには、本質的な意味があるのでしょうか。
(Real Cookie Consent Lite 開発者)